Core Concepts
カーボン排出を最小化しながら、未知の作業量を持つジョブを期限内に完了させるためのオンラインアルゴリズムを提案する。
Abstract
本論文は、クラウドデータセンターのカーボン排出を削減するためのオンラインカーボンアウェアリソース拡張問題(OCSU)に取り組んでいる。OCSUでは、ジョブの長さが未知の状況で、ジョブを期限内に完了させつつカーボン排出を最小化することが目的となる。
提案手法のLACSは、ジョブ長の予測を活用しつつ、理論的な堅牢性も確保する学習強化アルゴリズムである。LACSは、ジョブ長の上限値と下限値を利用する2つの堅牢なベースラインアルゴリズムと、ジョブ長の予測を組み合わせることで、平均的な性能を向上させつつ、最悪ケースでの保証も維持する。
実験評価では、LACSが完璧なジョブ長情報を持つオンラインアルゴリズムに匹敵する平均的なカーボン排出量を達成し、カーボン強度予測を必要とする最適オフラインアルゴリズムに対しても16%以内の性能を示すことを確認した。また、デッドラインを意識したカーボン無視の実行と比べて32%のカーボン排出量削減を実現している。
Stats
ジョブ長の予測誤差が20%の場合、LACSのカーボン排出量は完璧なジョブ長情報を持つオンラインアルゴリズムの1.2%以内に収まる。
LACSのカーボン排出量は、カーボン強度予測を必要とする最適オフラインアルゴリズムの16%以内に収まる。
LACSは、デッドラインを意識したカーボン無視の実行と比べて32%のカーボン排出量削減を実現する。
Quotes
ジョブ長の予測は非常に困難であり、140%以上の平均絶対パーセント誤差を持つ可能性がある。
実稼働環境では、安全性の保証が重要であり、機械学習のみに依存する手法は望ましくない。