Core Concepts
ブロック・ランチョス法による行列関数近似の誤差界を、線形システムの誤差と積分項の積で表すことができる。この誤差界は、ブロックサイズの変化に対してかなりロバストであり、実用的な停止基準として使用できる可能性がある。
Abstract
本論文では、ランチョス法による行列関数近似の誤差界を、ブロック版のアルゴリズムに拡張している。数値実験の結果から、提案する誤差界はブロックサイズの変化に対してかなりロバストであり、実用的な停止基準として使用できる可能性があることが示唆されている。
さらに、ブロックサイズ1の場合でも、誤差界の品質を最大化するためにどのようなハイパーパラメータを選択すべきかについての理解を深めるための実験も行われている。
提案する誤差界は、線形システムの誤差と積分項の積で表される。線形システムの誤差は既存の手法で正確に推定または界限できるため、実用的に計算可能である。一方、積分項は行列サイズには依存せず、ランチョス法のアウトプットから計算できるため、比較的安価に評価できる。
Stats
行列Hの最小固有値𝜆minは10^-2、最大固有値𝜆maxは1である。
ブロックサイズ𝑏が1、2、3、4、8、16の場合の誤差界の評価を行った。