Core Concepts
変数の上限度数が制限された2つの問題、すなわち「変数の上限度数制限頂点削除問題」と「不適切彩色問題」について、既知の構造的パラメータ、特にトリー幅、パス幅、ツリー深さ、頂点被覆数に関する最適な複雑性を明らかにした。
Abstract
本論文では、変数の上限度数が制限された2つの問題、「変数の上限度数制限頂点削除問題」と「不適切彩色問題」について、既知の構造的パラメータに関する最適な複雑性を明らかにした。
まず、両問題に対して標準的なダイナミックプログラミングアルゴリズムが存在することを示した。その上で、SETH (Strong Exponential Time Hypothesis)を仮定すると、トリー幅およびパス幅に関して、これらのアルゴリズムが最適であることを示した。
次に、より制限的なパラメータであるツリー深さに着目した。既知の下限定理は最適アルゴリズムの複雑性を完全に特徴づけていないことから、より強力な下限定理を示した。具体的には、両問題ともにツリー深さに関して指数時間アルゴリズムが必要であることを示した。
最後に、頂点被覆数をパラメータとした場合を考察した。両問題はこのパラメータに関してFPTであるが、既知のアルゴリズムは指数関数的な依存性を持つ。本論文では、このような指数関数的な依存性が最適であることを示した。
全体として、本論文は両問題の構造的パラメータ化に関する複雑性の完全な理解を提供するものである。標準的なダイナミックプログラミングアルゴリズムが最適であることを示すとともに、より制限的なパラメータに関する最適下限定理を与えた。
Stats
変数の上限度数制限頂点削除問題の場合:
パス幅pwに関して、O*((Δ+2-ε)pw)時間アルゴリズムが最適である。
ツリー深さtdに関して、no(td)時間アルゴリズムが最適である。
頂点被覆数vcに関して、vco(vc)nO(1)時間アルゴリズムが最適である。
不適切彩色問題の場合:
パス幅pwに関して、O*((χd(Δ+1)-ε)pw)時間アルゴリズムが最適である。
ツリー深さtdに関して、no(td)時間アルゴリズムが最適である。
頂点被覆数vcに関して、vco(vc)nO(1)時間アルゴリズムが最適である。