Core Concepts
大規模言語モデルを活用して、最小の専門知識と人的労力で組合せ最適化問題を解くことができる。
Abstract
本研究では、大規模言語モデル(LLM)を進化的最適化手法(EA)のオペレータとして活用する新しいアプローチ「LLM駆動EA (LMEA)」を提案している。LMEAでは、各世代の進化探索において、LLMに親個体の選択、交叉、突然変異を行わせ、新しい個体を生成する。また、LLMの温度を自己調整する機能を備えており、探索と利用のバランスを取ることができる。
LMEAを古典的な巡回セールスマン問題(TSP)に適用した結果、最小限の専門知識と人的労力で、10ノードと15ノードのTSPインスタンスにおいて最適解を一貫して見つけることができた。さらに、LLM駆動の遺伝的オペレータと自己調整機構の有効性も検証された。
本研究は、LLMを組合せ最適化の進化的最適化手法として初めて活用したものであり、LLMの強力な潜在能力を示唆している。今後の研究では、LLMの拡張性の向上や、より複雑な最適化問題への適用などが期待される。
Stats
TSPインスタンスのサイズが10ノードの場合、LMEAは5つのインスタンスすべてで最適解を見つけた。
TSPインスタンスのサイズが15ノードの場合、LMEAは5つのインスタンスのうち4つで最適解を見つけた。
Quotes
"LLMを活用することで、最適化問題の記述と解の仕様をわかりやすい自然言語で指定できるため、従来の手法に比べて専門知識と人的労力を大幅に削減できる。"
"LMEAは、追加の学習なしにLLMを活用するゼロショット方式を採用しており、メタ最適化アプローチに比べて計算リソースの消費が大幅に抑えられる。"