Core Concepts
線形スイッチング制御の設定において、未知の部分的に観測された線形動的システムを有限の既知の候補モデルの中から同定する問題を扱う。
Abstract
本論文では、線形システム同定の問題設定において、未知の部分的に観測された線形動的システムが有限の既知の候補モデルの中に含まれることを前提とする。
まず、与えられた軌道からモデルを同定する問題を考える。これは、高確率で真のモデルのインデックスを特定することに帰着される。最近の線形最小二乗法の非漸近的解析の進展を活用し、この問題の有限時間サンプル複雑度を特徴付ける。従来の結果と比較して、提案アプローチはより小さな仮説クラスを活用し、次元に依存しないサンプル複雑度の上界を導出する。
次に、線形スイッチング制御の問題を考える。各候補モデルに対応する候補コントローラがあり、システムとコントローラの組み合わせによっては不安定になる可能性がある。我々は有限時間でそのような不安定なコントローラを検出する基準を開発する。これらの結果を活用し、未知パラメータを同定するデータ駆動型のスイッチング戦略を提案する。その性能の非漸近的解析を行い、古典的な推定器ベースの監視制御法への示唆を議論する。
Stats
部分的に観測された線形システムのパラメータは(C, A, B)で表される。
初期状態x1はN(0, Idx×dx)に従う。
プロセスノイズwtはN(0, σ2
wIdx×dx)に従う。
観測ノイズηtはN(0, σ2
ηIdy×dy)に従う。
真のシステムパラメータ(C⋆, A⋆, B⋆)は有限の候補モデル{(Ci, Ai, Bi)}N
i=1の中に含まれる。
各候補モデルiに対応するコントローラK(i; ·)があり、閉ループ系は(Ĉi, Â(j)
i , B̂i)となる。
Quotes
"線形システム同定 — 単一の入出力データ軌道から未知の動的システムのパラメータを推定する問題 — は、制御理論、ロボティクス、強化学習などの多くの問題領域で重要な役割を果たしている。"
"しかし、これらの研究はすべて制御アプリケーションの要件を考慮せずにシステム同定自体に焦点を当てている。本研究では、線形システム同定と切替え制御が出会う問題設定を考える。"