Core Concepts
本論文では、Regev氏が提案した量子アルゴリズムの正当性を無条件に証明した。この量子アルゴリズムは、Shor氏のアルゴリズムよりも量子ゲートの数が少なくて済む。
Abstract
本論文では、Shor氏の有名な量子アルゴリズムを一般化したRegev氏のアルゴリズムの正当性を無条件に証明した。
Shor氏のアルゴリズムは、整数の因数分解と離散対数計算を多項式時間で解くことができる。しかし、Shor氏のアルゴリズムは量子ゲートの数が多いという問題があった。
Regev氏は、Shor氏のアルゴリズムを多次元化することで、量子ゲートの数を大幅に削減することに成功した。Regev氏のアルゴリズムは、非常に小さな素数の積で表される(Z/NZ)×の元を見つけることに依存している。
本論文では、解析的整数論の手法を用いて、この数論的な仮定を無条件に証明した。その結果、Regev氏のアルゴリズムと、それに基づく後続の改良アルゴリズムの正当性を無条件に示すことができた。
具体的には、以下の2つの主要な結果を得た:
整数Nの因数分解問題を解くための量子回路が、O(n^3/2 log^3 n)の量子ゲートと O(n log^3 n)のキュービットを使用することを示した。
離散対数問題を解くための量子回路が、同様にO(n^3/2 log^3 n)の量子ゲートとO(n log^3 n)のキュービットを使用することを示した。
これらの結果は、Regev氏やEkerå-Gärtner氏らの先行研究の正当性を、対数因子を除いて無条件に証明するものである。
Stats
N以下の整数を因数分解する量子アルゴリズムは、O(n^3/2 log^3 n)の量子ゲートとO(n log^3 n)のキュービットを使用する。
離散対数問題を解く量子アルゴリズムは、同様にO(n^3/2 log^3 n)の量子ゲートとO(n log^3 n)のキュービットを使用する。
Quotes
"Regev氏は、Shor氏のアルゴリズムを多次元化することで、量子ゲートの数を大幅に削減することに成功した。"
"本論文では、解析的整数論の手法を用いて、Regev氏のアルゴリズムの数論的な仮定を無条件に証明した。"