Core Concepts
本研究では、初期形状が最適解から遠い場合でも高次の形状最適化手法を適用できるよう、形状最適化問題にホモトピー法を組み合わせた手法を提案する。また、多目的形状最適化問題に対してもホモトピー法を適用し、効率的にパレート最適解を得る手法を示す。
Abstract
本研究では、形状最適化問題に対してホモトピー法を適用する手法を提案している。
まず、形状最適化問題を扱うための基本的な概念を説明する。形状最適化では、形状に依存する目的関数の感度を表す形状微分を用いて、反復的に形状を更新していく。一般に、一次の形状微分を用いる手法では多くの反復が必要となるが、二次の形状微分を用いる手法では反復回数を大幅に減らすことができる。しかし、二次の形状微分を用いる手法は局所収束性しか持たず、初期形状が最適解に十分近い必要がある。
そこで本研究では、初期形状が最適解から遠い場合でも高次の形状最適化手法を適用できるよう、形状最適化問題にホモトピー法を組み合わせた手法を提案する。ホモトピー法とは、元の問題を簡単な問題と滑らかに接続し、その解経路に沿って問題を追跡する手法である。本研究では、形状ニュートン法をこのホモトピー法の修正子として用い、任意次数の形状微分を予測子として用いる。
さらに、多目的形状最適化問題に対してもホモトピー法を適用し、効率的にパレート最適解を得る手法を示す。
最後に、数値実験によってこれらの手法の有効性を示す。
Stats
形状最適化問題の一次形状微分は以下のように表される:
dJ(Ω)(V) = ∫Ω ∇f・V + f divV dx
二次形状微分は以下のように表される:
d²J(Ω)(V, W) = ∫Ω ∇²f V・W + ∇f・W divV + ∇f・V divW + f divV divW - f∂V⊤: ∂W dx
Quotes
"ホモトピー法とは、元の問題を簡単な問題と滑らかに接続し、その解経路に沿って問題を追跡する手法である。"
"本研究では、形状ニュートン法をこのホモトピー法の修正子として用い、任意次数の形状微分を予測子として用いる。"