Core Concepts
トランスポゼースの自然な能力を利用して、プログラム可能なCRISPRヌクレアーゼと融合させることで、植物ゲノムへの配列特異的な挿入を可能にする。
Abstract
本研究では、植物ゲノムへの新しいDNAの挿入を効率的かつ正確に行うための新しいゲノム工学ツールを開発した。
トランスポゾン(TE)は自身のDNAを巧みにゲノムに挿入する能力を持っているが、その挿入部位は制御できないのが課題だった。
そこで研究者らは、CRISPR-Cas9やCRISPR-Cas12aといったプログラム可能なヌクレアーゼとTEトランスポゼースを融合させることで、配列特異的な挿入を実現した。
まずモデル植物のシロイヌナズナで、エンハンサー配列、オープンリーディングフレーム、遺伝子発現カセットなどを正確に挿入することに成功した。
さらにこのシステムをダイズにも適用し、主要作物への応用可能性を示した。
このように、自然界のTEの能力を利用しつつ、CRISPR技術によって制御することで、植物ゲノム工学の新しいツールを開発した。
Stats
植物ゲノムへの新しいDNAの挿入効率が低く、正確性に課題があった。
トランスポゾンは自身のDNAを巧みにゲノムに挿入する能力を持っているが、挿入部位を制御できないのが課題だった。
Quotes
「トランスポゾンは『ゲノムの寄生者』と考えられてきたが、その自然な挿入能力を利用することで、植物ゲノム工学の新しいツールとなる可能性がある」
「CRISPR技術とトランスポゼースを融合させることで、配列特異的な挿入を実現できた」