Core Concepts
ゼオライト骨格内に閉じ込められたロジウム種の特殊な構造により、プロペンの水素化ホルミル化反応の選択性を劇的に向上させることができる。
Abstract
本研究では、プロペンの水素化ホルミル化反応において、ロジウム触媒をMELゼオライト骨格内に閉じ込めることで、極めて高い n-ブタナールの選択性を達成した。通常のロジウム触媒では、立体的に自由度の高い Rh-ヒドリドジカルボニル種が形成されるため、n-ブタナールの選択性が限定的であった。しかし、ゼオライト骨格内に閉じ込められたロジウム種は、Rh(I)-gem-ジカルボニル構造を取るようになり、反応経路を n-ブタナールの選択的生成に導くことができた。最適化された触媒は、99%を超える n-ブタナール選択性と、時間当たり6,500回転の高い触媒活性を示した。これは、これまで開発された不均一系および均一系触媒の性能を大きく上回るものである。ゼオライト骨格がロジウム活性種の反応経路を制御する足場として機能することが、この高選択性の発現に重要な役割を果たしていることが明らかになった。
Stats
プロペンの水素化ホルミル化反応において、最適化された触媒は99%を超える n-ブタナール選択性と、時間当たり6,500回転の高い触媒活性を示した。
これまで開発された不均一系および均一系触媒の性能を大きく上回る。
Quotes
「ゼオライト骨格内に閉じ込められたロジウム種は、Rh(I)-gem-ジカルボニル構造を取るようになり、反応経路を n-ブタナールの選択的生成に導くことができた。」
「ゼオライト骨格がロジウム活性種の反応経路を制御する足場として機能することが、この高選択性の発現に重要な役割を果たしていることが明らかになった。」