Core Concepts
POD縮約モデルに人工粘性を導入することで、対流支配的な非圧縮性流れの効率的なシミュレーションが可能になる。
Abstract
本論文では、対流支配的な非圧縮性流れの効率的なシミュレーションのために、安定化されたPOD縮約モデル(ROM)を提案している。
オフラインフェーズでは、有限体積法を用いて代表的な流れ場のスナップショットを生成し、POD法によって縮約基底を構築する。オンラインフェーズでは、この縮約基底を用いてガラーキン射影によりROMを構築する。
しかし、対流支配的な流れでは、POD基底の数を十分に多く取る必要があり、計算効率が低下する。そこで、二つの安定化手法を提案している:
全体に一定の人工粘性を加える手法(Heisenberg安定化)
POD基底ごとに異なる人工粘性を加える手法(係数依存粘性)
これらの手法を、FDA提案の3次元収束-拡散ノズルの流れ問題に適用し、実験データと比較した。その結果、両手法ともに標準的なPOD-ガラーキンROMに比べて高精度な解を得ることができた。特に、係数依存粘性手法が最も良好な結果を示した。
Stats
時間平均軸方向速度の絶対誤差は、人工粘性係数𝜈𝑎=500の場合、最大で10^-4程度である。
時間平均圧力の相対誤差は、𝜈𝑎=500の場合、入口付近で10^-1程度となる。
Quotes
"POD基底の数を十分に多く取る必要があり、計算効率が低下する。"
"両手法ともに標準的なPOD-ガラーキンROMに比べて高精度な解を得ることができた。"
"係数依存粘性手法が最も良好な結果を示した。"