Core Concepts
大規模シミュレーションにおいて、高精度で効率的なポアソン方程式ソルバーを実装することで、メモリ使用量を大幅に削減しつつ高精度な解を得ることができる。
Abstract
本研究では、Vico-Greengard法と呼ばれる新しい高精度なポアソン方程式ソルバーを並列高性能実装し、その性能を評価した。従来のHockney-Eastwood法と比較して、Vico-Greengard法は滑らかな入力関数に対して高次の収束性を示す。しかし、Vico-Greengard法は大きなメモリ使用量が課題となっていた。
本研究では、離散コサイン変換を用いることで、Vico-Greengard法のメモリ使用量をHockney-Eastwood法と同程度まで削減することに成功した。この改良版Vico-Greengard法は、高精度かつメモリ効率的であるため、大規模シミュレーションにおいて有効活用できる。
収束性の検証、GPU/CPUでの強スケーリング・弱スケーリング解析、メモリ使用量の比較を行った結果、改良版Vico-Greengard法が従来手法に比べ優れた性能を示すことを確認した。さらに、プラズマ物理の応用例として、ペニング・トラップシミュレーションにおいても両手法を比較し、同等の結果が得られることを示した。
Stats
ソルバーの相対誤差が10^-4となるのに、Hockney-Eastwood法では1283グリッド点が必要なのに対し、改良版Vico-Greengard法では163グリッド点で十分である。
Quotes
"大規模シミュレーションにおいて、高精度で効率的なポアソン方程式ソルバーを実装することで、メモリ使用量を大幅に削減しつつ高精度な解を得ることができる。"
"改良版Vico-Greengard法は、高精度かつメモリ効率的であるため、大規模シミュレーションにおいて有効活用できる。"