Core Concepts
3次元における完全発散自由有限要素空間の次元を、メッシュ分割の種類や多項式次数の違いに着目して比較・分析した。
Abstract
本論文では、3次元における完全発散自由な有限要素空間の次元を分析している。特に、テトラヘドラルメッシュ上での Scott-Vogelius 要素や、メッシュ分割手法の違い(Alfeld分割、Worsey-Farin分割など)による低次の方法について、次元の比較を行っている。
主な結果は以下の通り:
- 3次元では、Scott-Vogelius 要素(多項式次数k=4)の次元が、ほとんどの低次の分割メッシュ法よりも小さい。多項式次数k=6でも、Scott-Vogelius 要素の次元は大半の分割メッシュ法より50%以下である。
- 唯一の例外は、Worsey-Farin分割の最低次の方法である。それ以外の分割メッシュ法と比べると、Scott-Vogelius 要素は競争力があるか、少なくとも大幅に高コストではない。
- 近似性の観点からも、高次の Scott-Vogelius 要素が有利である可能性がある。
以上より、3次元における Scott-Vogelius 要素の更なる調査の必要性が示唆される。特に、特異点を持つメッシュに関する洞察が重要である。
Stats
単一のテトラヘドロンのAlfeld分割では、頂点数V=5、辺数E=10、平均辺数e=4である。
Freudenthal三角形分割では、平均辺数e=14である。
一般的な3次元メッシュでは、4 ≤ e ≤ 18 + 2/15 max(0, 7χ + 4χb - 96)が成り立つ。ここで、χ、χbは位相パラメータである。
Quotes
"3次元では、Scott-Vogelius要素(多項式次数k=4)の次元が、ほとんどの低次の分割メッシュ法よりも小さい。"
"多項式次数k=6でも、Scott-Vogelius要素の次元は大半の分割メッシュ法より50%以下である。"
"近似性の観点からも、高次のScott-Vogelius要素が有利である可能性がある。"