Core Concepts
DDX6は人間の細胞において、非効率的に翻訳されたmRNAの分解を引き起こす重要な調節因子である。
Abstract
本研究では、DDX6がヒト細胞において非効率的に翻訳されたmRNAの分解を引き起こす重要な役割を果たすことを明らかにした。
まず、希少コドンを含むレポーターmRNAの安定性がDDX6欠損によって大幅に上昇したことから、DDX6がコドン最適性の低いmRNAの分解を誘導することが示された。
次に、リボソームプロファイリングとRNA-seqの解析から、DDX6が特に亜鉛指転写因子をコードするmRNAの翻訳効率を調節していることが明らかになった。これらのmRNAは全体的に低いコドン最適性を示し、遅い翻訳伸長速度を持つことが示唆された。
さらに、リボソームの局所的な停滞が観察されたmRNAも、DDX6依存的に分解されることが明らかになった。この中にはCAGリピートを含むアンドロゲン受容体(AR)mRNAが含まれていた。
最後に、レポーターアッセイにより、同定された内因性のリボソーム停滞配列がDDX6依存的にmRNA分解を引き起こすことが示された。
以上の結果から、DDX6は人間の細胞において、非効率的に翻訳されたmRNAの分解を調節する重要な因子であることが明らかになった。
Stats
リボソームの局所的な停滞が観察されたmRNAの中には、アンドロゲン受容体(AR)mRNAが含まれていた。
ARmRNAはCAGリピートを含んでおり、リボソームの停滞を引き起こすことが示唆されている。
Quotes
「DDX6は人間の細胞において、非効率的に翻訳されたmRNAの分解を引き起こす重要な調節因子である」
「DDX6が特に亜鉛指転写因子をコードするmRNAの翻訳効率を調節していることが明らかになった」
「リボソームの局所的な停滞が観察されたmRNAも、DDX6依存的に分解されることが明らかになった」