Core Concepts
潜在拡散モデルを利用して、線形および非線形の逆問題を効率的に解決する新しいアルゴリズムを提案する。提案手法は、最適化問題を解くことで測定値との整合性を厳密に確保し、さらに新しい再サンプリング手法を用いることで、ノイズの多い潜在空間上の分布に適切にマッピングする。
Abstract
本論文では、潜在拡散モデル(LDM)を利用して、一般的な逆問題を解決するための新しいアルゴリズム「ReSample」を提案している。
まず、LDMを用いて逆問題を解決する際の課題として、エンコーダとデコーダの非線形性が挙げられる。これに対して本手法では以下の2つのアプローチを提案している:
測定値との整合性を確保するため、逆サンプリングプロセスの一部で最適化問題を解く「hard data consistency」を導入する。これにより、測定値と整合的な潜在変数を得ることができる。
得られた測定値整合的な潜在変数を、ノイズの多い潜在空間上の分布にマッピングするための新しい「stochastic resampling」手法を提案する。これにより、ノイズの少ない高品質な再構成画像が得られる。
提案手法は、自然画像や医療画像の様々な線形/非線形逆問題に適用され、既存手法と比較して優れた性能を示している。特に、非線形逆問題においても高い精度を達成できることが確認された。さらに、LDMを利用することで、メモリ使用量の大幅な削減も実現している。
Stats
提案手法ReSampleは、既存手法と比較して、CelebA-HQデータセットの超解像(4倍)タスクでPSNR 30.45、SSIMは0.832を達成した。
同じくCelebA-HQデータセットの非線形ぼかし除去タスクでは、PSNRが30.18、SSIMが0.828を達成した。
LDCTデータセットのCT再構成タスクでは、提案手法がPSNR 35.91、SSIMは0.965を達成し、他手法を大きく上回る性能を示した。
Quotes
"潜在拡散モデルを利用して逆問題を解決する際の主な課題は、エンコーダとデコーダの非線形性にある。"
"提案手法ReSampleは、測定値との整合性を厳密に確保する'hard data consistency'と、ノイズの多い潜在空間上の分布にマッピングする'stochastic resampling'の2つの手法を導入している。"
"提案手法は、自然画像や医療画像の様々な線形/非線形逆問題に適用され、既存手法と比較して優れた性能を示している。特に、非線形逆問題においても高い精度を達成できることが確認された。"