Core Concepts
リボン型活性帯の最小構成要素であるBassoon、RBP2、RIBEYE、CaV1.3チャネルを同時発現させることで、内耳有毛細胞の活性帯を模倣した合成リボン型活性帯を構築できる。この合成リボン型活性帯は、Ca2+チャネルの局在化と局所的なCa2+流入を促進する。
Abstract
本研究では、内耳有毛細胞のリボン型活性帯の最小構成要素を同定し、それらを異種発現系であるHEK293細胞で再構築することで、合成リボン型活性帯を構築した。
具体的には以下の通り:
HEK293細胞にRIBEYEとmembrane-targeted Bassoonを共発現させると、内耳有毛細胞のリボン型活性帯に類似した構造が形成された。
さらにCaV1.3チャネルとRBP2を加えて共発現させると、CaV1.3チャネルがRBP2を介してBassoonクラスターに集積し、リボン型活性帯様の構造が形成された。
この合成リボン型活性帯では、CaV1.3チャネルが大きなクラスターを形成し、局所的なCa2+流入が観察された。
一方で、CaV1.3チャネルの電流密度や電位依存性は、リボン型活性帯の有無によって変化しなかった。
以上より、Bassoon、RBP2、RIBEYE、CaV1.3チャネルが、リボン型活性帯の最小構成要素であることが示された。この合成リボン型活性帯は、活性帯タンパク質間相互作用の解析や、Ca2+チャネル機能調節機構の研究に有用なツールとなると期待される。
Stats
CaV1.3チャネルクラスターの体積は、合成リボン型活性帯と共局在する場合、そうでない場合に比べて有意に大きかった。
合成リボン型活性帯の直下では、Calbryte590によるCa2+シグナルの増大が観察された。
Quotes
"リボン型活性帯の最小構成要素であるBassoon、RBP2、RIBEYE、CaV1.3チャネルを同時発現させることで、内耳有毛細胞の活性帯を模倣した合成リボン型活性帯を構築できる。"
"この合成リボン型活性帯は、Ca2+チャネルの局在化と局所的なCa2+流入を促進する。"