Core Concepts
回路下界が論理複雑性下界の必要条件であるという信念を条件付きで示した。特に、Implicit Extended Frege (iEF)証明システムにおいて、平均的に回路サイズ2^(n/4)以下の回路では与えられた関数を1/2+1/2^(n/4)以上の割合で近似できないことを iEFが効率的に証明できるならば、iEFが多項式時間有界でないことは#P⊈FP/polyを意味する。
Abstract
本論文では、回路複雑性と論理複雑性の間の条件付きの関係を示した。特に以下の点が明らかになった:
回路下界が論理複雑性下界の必要条件であるという信念を条件付きで示した。具体的には、Implicit Extended Frege (iEF)証明システムにおいて、平均的に回路サイズ2^(n/4)以下の回路では与えられた関数を1/2+1/2^(n/4)以上の割合で近似できないことを iEFが効率的に証明できるならば、iEFが多項式時間有界でないことは#P⊈FP/polyを意味する。
この結果は、Pich and Santhanam [PS23]の結果を改善したものである。Pich and Santhanamの結果では、Extended Frege (EF)証明システムにおいて、一方向関数の存在をP≠NPから証明できることが仮定されていたが、本論文ではこの仮定を完全に取り除いた。
本論文の証明では、Lund, Fortnow, Karloff, and Nisan [LFKN92]のsum-check プロトコルの健全性をiEFで形式化することが重要な役割を果たしている。これにより、#P⊈FP/polyを導出できる。
本結果の改善には、対話型証明システムにおけるプローバーの能力を制限することや、強力な証明システムでの回路下界の自己証明可能性の問題など、いくつかの重要な課題が残されている。
Stats
与えられた関数を1/2+1/2^(n/4)以上の割合で近似できる回路サイズは2^(n/4)以下である。
iEFが多項式時間有界でないことは#P⊈FP/polyを意味する。
Quotes
"回路下界が論理複雑性下界の必要条件であるという信念を条件付きで示した。"
"本論文の証明では、Lund, Fortnow, Karloff, and Nisan [LFKN92]のsum-check プロトコルの健全性をiEFで形式化することが重要な役割を果たしている。"