Core Concepts
多変数関数の数値積分問題では、関数の変数数が増えるにつれて、必要な関数評価回数が指数関数的に増大し、計算困難性の問題に直面する。
Abstract
本論文では、多変数関数の数値積分問題における下限評価を研究している。多変数関数は、単変数関数のテンソル積空間から構成されると仮定する。参照指標として、N個の関数値を用いる線形ルールの最小誤差を用いる。情報複雑性は、初期誤差の指定された割合以下にするために必要な最小の関数評価回数Nである。この情報複雑性が変数数dに対して指数関数的に増大する場合、問題は計算困難性に苦しむと言われる。
著者らは、単変数問題の最悪ケース関数の存在を仮定し、2つの方法を提案している。1つ目は、最悪ケース関数の適切な分解に基づく方法で、再生核ヒルベルト空間における分解可能再生核の一般化と見なせる。2つ目は、正値数値積分ルールにのみ適用可能だが、最悪ケース関数の分解を必要としない方法で、解析関数に対しても使える。
いくつかの具体例、特に単位立方体上の一様積分、全空間上の加重積分、立方体上の無限滑らかな関数の積分などに、提案手法を適用している。これらの結果には、discrepancy理論における興味深い帰結がある。
Stats
初期誤差e(0, d)は、単変数関数の最悪ケース関数hの積により表される: e(0, d) = e(0, 1)^d
最悪ケース関数hは、h(x) = h1(x1)...hd(xd)と表される
最悪ケース関数h1は、h1(x) = h1,1(x) + h1,2,(0)(x) + h1,2,(1)(x)と分解できる
I1(h1,2,(0)) > 0, I1(h1,2,(1)) > 0
Quotes
"多変数関数の数値積分問題では、関数の変数数が増えるにつれて、必要な関数評価回数が指数関数的に増大し、計算困難性の問題に直面する。"
"著者らは、単変数問題の最悪ケース関数の存在を仮定し、2つの方法を提案している。"
"提案手法を適用した結果には、discrepancy理論における興味深い帰結がある。"