Core Concepts
放射性プロメチウム(Pm)錯体の構造と結合距離を実験的に明らかにし、ランタノイド収縮現象を解明した。
Abstract
本研究では、放射性プロメチウム(Pm)の化学に関する知見が乏しい中で、新たに合成したジグリコールアミド配位子によるPmIII錯体の安定化に成功した。シンクロトロンX線吸収分光法と量子化学計算を用いて、この錯体の配位構造と結合距離を明らかにした。これにより、ランタノイド収縮現象を実験的に捉えることができた。具体的には、ランタノイド系列の初期において結合距離が急激に短くなることを示した。この結果は、ジグリコールアミド化合物によるランタノイド分離挙動とも整合している。放射性PmIII錯体の水溶液中での特性解明は、f電子系元素の化学と分離に関する理解を深めるものである。
Stats
プロメチウムの半減期は2.62年である。
ランタノイド収縮に伴う結合距離の短縮が実験的に観察された。
Quotes
「ランタノイド収縮現象は基礎化学の教科書に記載されているが、プロメチウムを用いた実験的検証は行われていなかった。」
「本研究により、ランタノイド収縮現象を水溶液中の実験観察に基づいて明らかにできた。」