Core Concepts
放射輸送方程式の数値解法において、不連続ガーキン法は拡散極限を正しく捉えることができる漸近保存性を持つが、未知数の数が多くなるという欠点がある。本論文では、異なる次数の多項式空間を用いる不連続ガーキン法を提案し、計算コストを大幅に削減しつつ漸近保存性と収束性を維持する手法を開発した。さらに、不連続ガーキン法と有限体積法を組み合わせたハイブリッド手法を提案し、高次の収束性を実現した。
Abstract
本論文では、放射輸送方程式の数値解法における新しい手法を提案している。
まず、球面調和関数を用いた角度離散化と不連続ガーキン法による空間離散化を組み合わせた方法について検討している。この手法は漸近保存性を持つが、未知数の数が多くなるという問題がある。
そこで、異なる次数の多項式空間を用いる不連続ガーキン法を提案した。具体的には、0次モーメントのみ高次の多項式を用い、それ以外のモーメントは定数関数で近似する。これにより、計算コストを大幅に削減しつつ漸近保存性と収束性を維持できることを示した。
さらに、不連続ガーキン法と有限体積法を組み合わせたハイブリッド手法を提案した。0次モーメントには不連続ガーキン法を、それ以外のモーメントには有限体積法を用いることで、高次の収束性を実現した。
数値実験により、提案手法の有効性と高精度性を確認している。
Stats
放射輸送方程式の数値解法において、不連続ガーキン法は拡散極限を正しく捉えることができる漸近保存性を持つ
不連続ガーキン法は未知数の数が多くなるという欠点がある
異なる次数の多項式空間を用いる不連続ガーキン法を提案し、計算コストを大幅に削減しつつ漸近保存性と収束性を維持できることを示した
不連続ガーキン法と有限体積法を組み合わせたハイブリッド手法を提案し、高次の収束性を実現した
Quotes
"不連続ガーキン法は、その頑健性、柔軟性、高精度性から、放射輸送方程式の解法に広く採用されている。重要なことに、十分豊かな空間を用いれば、これらの手法は放射輸送方程式の内部拡散極限を回復することができる。"
"しかし、Q1要素を用いる必要があるため、この漸近保存性を持つ性質は、特に3次元の場合、有限体積法に比べて計算コストが大幅に増加するという欠点を持つ。"