Core Concepts
確率的プログラムの終了性を証明するための健全かつ相対的に完全な証明ルールを提供する。これらのルールは、スーパーマルチンゲールを使用して、プログラムの実行の相対的な可能性を追跡する。
Abstract
本論文では、確率的プログラムの終了性に関する健全かつ相対的に完全な証明ルールを提供する。
プログラムモデルは、離散的な確率的選択と悪魔的な有界非決定性を持つ命令型プログラムである。
定性的終了性(Almost-Sure Termination, AST)は、非決定性がどのように解決されても、プログラムがほぼ確実に終了するかどうかを問うものである。定量的終了性は、終了確率の上限と下限を見つけることに関する。
これまでの研究では、有限状態プログラムについては、終了性の決定的な手順が知られていた。しかし、無限状態空間の場合、健全な証明ルールは知られていたものの、完全性は示されていなかった。
本論文では、以下の2つの証明ルールを提供する:
終了確率が1になるまで、ほとんどの状態で期待値が非増加となるような関数を使う証明ルール。
各到達可能状態から、終了確率が一定以上になることを示す証明ルール。
これらのルールは、状態空間の有限部分集合を抽出することで完全性を示す。また、確率的終了性の複雑性に関する既存の結果を活用している。
さらに、定量的終了性についても、健全かつ相対的に完全な証明ルールを示す。これらのルールは、Chatterjee et al.の確率的不変量に基づいている。
本論文の結果は、確率的プログラムの終了性に関する理論的な理解を深めるものである。
Stats
確率的プログラムの終了性は、ほぼ確実に終了するかどうか(定性的終了性)、および終了確率の上限と下限(定量的終了性)を問うものである。
有限状態プログラムについては、終了性の決定的な手順が知られている。
無限状態空間の場合、これまでの証明ルールは健全だが完全ではなかった。
本論文では、健全かつ相対的に完全な新しい証明ルールを提供する。
Quotes
"確率的プログラミング言語は、通常の決定的な計算の構文に、ランダムな選択のプリミティブを拡張したものである。"
"終了性は、プログラムの基本的な性質であり、(決定的な)プログラムの終了性に関する形式的な推論は、チューリングまで遡る。"
"有限状態確率プログラムの場合、定性的および定量的終了性問題は良く理解されている。"