Core Concepts
空間における禁止された同相マイナーを持つ場合の、クラシックな結果の一般化を研究する。
Abstract
本論文では、古典的な結果の一般化を研究する。具体的には、Rd空間の集合系の交差パターンに関する分数Helly定理や(p, q)定理を、禁止された同相マイナーを持つ任意の三角化可能空間の設定に拡張する。
まず、簡単な定義を行う。簡単化のため、全ての単体複体は有限であり、Z2係数の同相を考える。ある単体複体Kが別の単体複体Uの同相マイナーでないことを、KがUの禁止された同相マイナーであると表す。また、ある整数bに対して、ある単体複体Uの部分複体の族Fが(K, b)-free coverであるとは、(i) Kがそのマイナーでないこと、(ii) 任意の部分族Gにおいて、0次元以下の簡約ベッチ数が bより小さいことを意味する。
主な結果は以下の通り:
(K, b)-free coverに対して、分数Helly数は高々µ(K) + 1である。ここで、µ(K)は Kの2つの素面の次元和の最大値を表す。
(K, b)-free coverに対して、(p, q)定理が成り立つ。その範囲は、p ≥q > µ(K)である。
上記の結果の鍵となるのは、m-元部分族の正の密度が上方に伝播することを示す定理。これにより、分数Helly数の改善や(p, q)定理の範囲の拡張が可能となる。
本研究の背景には、トポロジカルな一般化や、組合せ凸幾何学における「stepping-up」現象の研究がある。また、同相VC次元の理論との関連も示唆される。さらに、アルゴリズムの観点からも応用が期待できる。
Stats
任意の単体複体Kと整数bに対して、(K, b)-free coverの分数Helly数は高々µ(K) + 1である。
(K, b)-free coverに対して、(p, q)定理が成り立つ範囲は、p ≥q > µ(K)である。