Core Concepts
視線移動の選択は、視線移動に伴う努力の最小化を目指して行われる。
Abstract
本研究では、視線移動に伴う努力を瞳孔径の変化で測定し、この努力が視線移動の選択に重要な役割を果たすことを示した。
まず、参加者に36方向への視線移動を行わせ、その際の瞳孔径の変化から、視線移動の方向によって努力が異なることが明らかになった。次に、同じ参加者に自由に視線移動の方向を選択させたところ、努力の少ない方向が好まれることが示された。
さらに、自然場面での視線移動においても、同様の結果が得られた。認知的負荷が高い状況では、特に努力の大きい視線移動が抑制されることも明らかになった。
これらの結果から、視線移動の選択は、視覚情報の特性や観察者の目的、過去の経験といった要因に加えて、視線移動に伴う努力の最小化を目指して行われていることが示唆された。視線移動は頻繁に行われる基本的な認知機能であり、その選択プロセスの解明は、より一般的な意思決定メカニズムの理解につながると考えられる。
Stats
視線移動の方向によって瞳孔径が異なり、斜め方向の視線移動では上下左右の視線移動よりも瞳孔径が大きかった。
視線移動の選択率と瞳孔径の間には負の相関があり、努力の少ない方向ほど選択されやすかった。
認知的負荷が高い状況では、特に努力の大きい視線移動が抑制された。
Quotes
視線移動の選択は、視線移動に伴う努力の最小化を目指して行われる。
視線移動の選択は、視覚情報の特性や観察者の目的、過去の経験といった要因に加えて、視線移動に伴う努力の最小化を目指して行われている。