Core Concepts
薄層を含む構造の有限要素解析では、メッシュの品質が問題となる。Mortar 法と薄殻近似を組み合わせることで、メッシュの適合性を緩和しつつ、薄層の物理挙動を正確に表現できる。
Abstract
本論文では、Mortar 法と薄殻近似を組み合わせた Mortar 薄殻近似手法を提案している。薄層を含む構造の有限要素解析では、薄層のメッシュ生成が困難な場合がある。この問題を解決するため、Mortar 法を用いて薄層と外部領域の離散化を独立に行う手法を開発した。
具体的には、薄層内部の温度分布を1次元の基底関数で近似し、薄層の上下面の温度と熱流束の連続性をラグランジュ乗数を用いて弱く課す。これにより、薄層と外部領域の離散化を独立に行うことができる。
提案手法を簡略化した超伝導加速器磁石の熱モデルに適用し、従来の有限要素解析と比較した。その結果、両者の解は良好に一致しており、提案手法の有効性が示された。今後は数学的な解析や電磁界解析への拡張が期待される。
Stats
最大温度Tmaxは定常状態で約6.5Kに達する。
提案手法の最大温度の相対誤差は10^-4以下である。
Quotes
"薄層を含む構造の有限要素解析では、薄層のメッシュ生成が困難な場合がある。"
"Mortar 法を用いて薄層と外部領域の離散化を独立に行う手法を開発した。"