Core Concepts
Navier-Stokes方程式の数値解法を評価するための試験問題として、円柱まわりの流れを提案する。レイノルズ数の範囲を絞り、本質的に2次元の時間依存な流れを対象とする。この問題は、長時間にわたる混沌とした流れ場の正確な解像を要求する。また、比較的大きな計算領域と曲線境界を含むため、解の微分値や圧力の評価も必要となる。
Abstract
本論文では、Navier-Stokes方程式の数値解法を評価するための試験問題として、円柱まわりの流れを提案する。
レイノルズ数の範囲を102から104に絞り、本質的に2次元の時間依存な流れを対象とする。
この問題は、長時間にわたる混沌とした流れ場の正確な解像を要求する。
また、比較的大きな計算領域と曲線境界を含むため、解の微分値や圧力の評価も必要となる。
抗力係数、揚力係数、ストローハル数などの指標を用いて、さまざまな数値解法の性能を比較する。
既存の研究では、一部の確立された数値解法が正しい挙動を捉えられていないことが示された。
高次の圧力ロバストな手法が、高レイノルズ数の流れを正確に捉えるのに必要であることが分かった。一方で、一般的に用いられる低次のTaylor-Hood法は適切な結果を得るのが困難であることが明らかになった。
完全に発散無しの速度場を与える手法は、高レイノルズ数の流れでも重要な利点を持つことが示唆された。
Stats
レイノルズ数120の場合、抗力係数は1.348、ストローハル周期は11.34である。
レイノルズ数250の場合、抗力係数は1.376、ストローハル周期は9.680である。
レイノルズ数500の場合、抗力係数は1.448、ストローハル周期は8.82である。
レイノルズ数1000の場合、抗力係数は1.54、ストローハル周期は8.36である。
レイノルズ数2000の場合、抗力係数は1.65、ストローハル周期は8.4である。
レイノルズ数4000の場合、抗力係数は1.65前後、ストローハル周期は8前後である。
レイノルズ数8000の場合、抗力係数は1.55から1.73の範囲、ストローハル周期は8.9前後である。