Core Concepts
本研究では、FPGAにおいて効率的に実装できる新しい種類の不完全論理ベースサブ乗算器を提案し、乗算器タイリング手法と組み合わせることで、従来の手法と比べて資源使用量を削減できることを示す。
Abstract
本研究では、FPGAにおける小型乗算器の効率的な実装を目的として、新しい種類の不完全論理ベースサブ乗算器を提案している。従来の乗算器タイリング手法では、サブ乗算器として長方形の完全な乗算器を使用していたが、本研究では、不完全な(非長方形の)サブ乗算器を使用することで、より効率的な乗算器を実現できることを示している。
まず、4x4の探索空間を網羅的に調査し、様々な効率的な不完全サブ乗算器構造を見出した。これらの不完全サブ乗算器は、いくつかの単純な幾何学的パターンに従っており、従来の長方形サブ乗算器と比べて、より少ないLUT資源で実現できることが分かった。
次に、これらの不完全サブ乗算器を乗算器タイリング手法に組み込み、最適化手法を用いて完全な乗算器を設計した。合成実験の結果、提案手法は従来手法と比べて、最大17.6%のLUT使用量削減を達成できることが示された。特に小型の乗算器において顕著な効果が得られた。また、パッキング実験の結果から、提案手法による乗算器設計は、より高密度な演算回路の実現に寄与できることが確認された。
Stats
3x3乗算器の提案手法のLUT使用量は5、従来手法は5
4x4乗算器の提案手法のLUT使用量は12、従来手法は13
5x5乗算器の提案手法のLUT使用量は18、従来手法は20
6x6乗算器の提案手法のLUT使用量は27、従来手法は27
7x7乗算器の提案手法のLUT使用量は37、従来手法は41