Core Concepts
オープンソースのEDAツールを使用して、Basiliskと呼ばれるRISC-Vシステムオンチップの性能を大幅に向上させた。合成とレイアウトの最適化により、クロック周波数を2.3倍、コア利用率を55%まで高めた。
Abstract
本論文では、オープンソースのEDAツールを使用して、Basiliskと呼ばれるRISC-Vシステムオンチップの性能を最適化する取り組みについて述べている。
まず、合成ツールのYosysについて以下の改善を行った:
パート選択演算子(MUX)の最適化
ABC論理最適化スクリプトの改善
乗算-加算(MAC)演算の最適化
次に、レイアウトツールのOpenROADについて以下の改善を行った:
電源グリッドの再設計によるルーティング性の向上
密集したモジュールの配置最適化
これらの最適化により、Basiliskのクロック周波数は33MHzから77MHzに、論理面積は1.8MGEから1.1MGEに、コア利用率は50%から55%に向上した。また、DRCエラーも大幅に減少した。
論文では、オープンソースEDAツールの改善に向けて、ツール開発者や専門家との協力体制を築いたことも強調されている。Basiliskは2024年5月中旬にIHPの130nmプロセスでテープアウトされる予定である。
Stats
Iguana設計のクロック周波数: 33MHz
Basilisk設計のクロック周波数: 77MHz
Iguana設計の論理面積: 1.8MGE
Basilisk設計の論理面積: 1.1MGE
Iguana設計のコア利用率: 50%
Basilisk設計のコア利用率: 55%