Core Concepts
リード・ソロモン符号は、ノイズの多い環境でも確実にデータを伝送できる強力な誤り訂正符号である。宇宙探査や QR コードなど、私たちの生活に深く関わっている。
Abstract
本記事では、リード・ソロモン符号の仕組みと重要性について解説している。
1950年代から1960年代にかけて、宇宙開発や通信技術の発展に伴い、ノイズの多い環境でも確実にデータを伝送する必要性が高まった。この課題に対して、リード・ソロモン符号が革新的な解決策を提供した。
リード・ソロモン符号は、有限体上の多項式符号に基づいている。エンコーダーが元のメッセージに冗長なパリティ記号を付加し、デコーダーがこれらのパリティ記号を使ってエラーを検出・訂正する。
リード・ソロモン符号は、宇宙探査機ボイジャーの通信をはじめ、通信、データストレージ、デジタルTV/ラジオ、コンピューターネットワーク、QRコードなど、私たちの生活に欠かせない技術に広く活用されている。
本記事では、Python ライブラリ reedsolo を使って、リード・ソロモン符号の実装例を示している。エンコーディング、エラー挿入、デコーディングの一連の流れを確認できる。
リード・ソロモン符号の"魔法"は、ノイズの多い環境でも確実にデータを伝送できる点にある。これにより、私たちの生活をより便利で安全なものにしている。
Stats
メッセージを数値化すると、[104, 101, 108, 108, 111, 32, 119, 111, 114, 108, 100] となる
エンコーディングを行うと、[104, 101, 108, 108, 111, 32, 119, 111, 114, 108, 100, 48, 119, 255, 37, 228, 214, 10, 133] のように冗長なデータが追加される
4つのランダムエラーを挿入すると、[104, 101, 6, 18, 67, 32, 119, 111, 114, 108, 100, 48, 119, 255, 37, 228, 214, 235, 133] となる
デコーディングを行うと、元のメッセージ "hello world" が復元される
Quotes
"通信の根本的な問題は、ある場所で選択されたメッセージを別の場所で正確にまたは近似的に再現することである。" - クロード・シャノン, 1948年