Core Concepts
T-ALL細胞におけるPSEN1変異は、PSEN1選択的γ-セクレターゼ阻害剤MRK-560に対する耐性を誘発する。
Abstract
本研究では、CRISPR-Cas9を用いてT-ALL細胞株RPMI-8402にランダムなPSEN1変異を導入し、MRK-560耐性変異を同定した。
- PSEN1のエクソン5、6、7、8、9、12に変異を導入した細胞株は、MRK-560に対して高い耐性を示した。
- 変異解析の結果、3つのタイプの耐性メカニズムが明らかになった:
- 酵素-薬剤界面の変異は、MRK-560とPSEN1の相互作用を直接阻害する。
- 酵素-基質界面の変異は、薬剤と基質の相対的な結合親和性を変化させる。
- 酵素-基質界面の変異は、MRK-560の結合ポケットへの入り込みを阻害する。
- 特に、275(A>Y)、276(Q>E)、421_422(->ILS)の変異は、MRK-560に対する選択的な耐性を示した。
- これらの知見は、PSEN1選択性を持つ新たなγ-セクレターゼ阻害剤の設計に役立つと考えられる。
Stats
PSEN1の275(A>Y)、276(Q>E)、421_422(->ILS)の変異は、MRK-560に対する選択的な耐性を示した。
PSEN1の139(M>SL)、164(A>AP)、165(W>C)の変異は、NOTCH1およびAPPの基質処理能力を低下させた。
Quotes
「PSEN1選択的γ-セクレターゼ阻害剤は、NOTCH1活性化変異を持つT-ALL治療の選択肢となる可能性がある」
「PSEN1変異によるMRK-560耐性は、PSEN1選択性を持つ新たな阻害剤の設計に役立つ」