Core Concepts
視覚障害者の脳では、触覚的なブレイユ文字表現が知覚的な表現に変換されることが明らかになった。
Abstract
本研究では、生まれつきまたは幼少期に視覚を失った個人を対象に、ブレイユ文字情報の処理過程を調べた。
まず、fMRIを用いた空間的な分析から以下のことが明らかになった:
触覚的なブレイユ文字表現は触覚処理領域に存在する
知覚的なブレイユ文字表現は視覚読書領域に存在する
外側後頭葉複合体(LOC)がこの2つの表現の変換の中心的な役割を果たしている
次に、EEGを用いた時間的な分析から以下のことが明らかになった:
触覚的表現が知覚的表現よりも先に出現する
両方の表現が行動に関連していることが示された
以上の結果から、視覚障害者の脳においても、感覚表現から知覚表現への変換という一般的な情報処理の原理が見られることが明らかになった。ただし、ブレイユ文字読書の特性により、この変換過程は視覚情報処理よりも遅延することが示唆された。
Stats
ブレイユ文字刺激は500ms間提示された。
fMRIの刺激間隔は2500ms、EEGの刺激間隔は500msまたは1100ms(キャッチ試行)であった。
参加者の平均年齢は39歳(fMRI)、44歳(EEG)であった。
Quotes
"視覚障害者の脳では、触覚的なブレイユ文字表現が知覚的な表現に変換される"
"触覚的表現が知覚的表現よりも先に出現する"
"両方の表現が行動に関連している"