Core Concepts
イベントの時空間的な連続的な軌跡を利用することで、相関量を使わずに光流を推定できる。反復的なぼかし除去を用いることで、高速で軽量な光流推定が可能となる。
Abstract
本論文では、イベントベースの光流推定のための新しいアルゴリズムIDNetを提案する。IDNetの中核となるのは、イベントの時空間的な連続的な軌跡を利用して光流を推定するRecurrent Neural Network(RNN)である。従来のイベントベースの光流推定手法は相関量を使うが、相関量の計算と保存は計算量と記憶容量が大きいという問題がある。一方、IDNetはこの相関量を使わずに光流を推定できる。
さらに、IDNetでは反復的なぼかし除去を導入することで、高速で軽量な光流推定が可能となる。具体的には、以下の2つの反復的な更新スキームを提案している:
ID(Iterative Deblurring)スキーム: 同じバッチのイベントに対して反復的に処理を行う。
TID(Temporal Iterative Deblurring)スキーム: 時間的に連続するイベントに対して反復的に処理を行う。
IDNetは公開ベンチマークDSEC-Flowで最新の手法と同等の性能を達成しつつ、パラメータ数が80%少なく、メモリフットプリントが20倍小さく、組み込みGPUで40%高速に動作する。さらに、TIDスキームは性能を9%犠牲にするだけで、8ms超低遅延で実時間処理が可能となる。
Stats
提案手法IDNetは、従来手法と比べて80%少ないパラメータ数、20倍小さいメモリフットプリントを実現している。
IDNetは、組み込みGPUで従来手法より40%高速に動作する。
TIDスキームは、性能を9%犠牲にするだけで、8ms超低遅延で実時間処理が可能となる。
Quotes
"イベントの時空間的な連続的な軌跡を利用することで、相関量を使わずに光流を推定できる。"
"反復的なぼかし除去を用いることで、高速で軽量な光流推定が可能となる。"