Core Concepts
学校と家庭の社会的接触が COVID-19 の伝播に大きな影響を及ぼすことが明らかになった。家庭内および家族間の感染リスクが非常に高く、学校内の感染リスクは相対的に低いことが示された。
Abstract
本研究は、オランダの人口レジストリデータを用いて、学校と家族のネットワークが COVID-19 の感染伝播に及ぼす影響を分析したものである。
主な知見は以下の通り:
同じ世帯に住む家族間の感染リスクが非常に高く、同居する兄弟や親子の感染確率は 22.6-23.2% に達する。同じ世帯に住まない家族間でも感染確率が 4.7-7.9% と高い。
同じ小学校に通っていた生徒同士の感染確率は 0.66%、同じ中学校に通っていた生徒同士では 1.65% と、家族以外の接触では相対的に低い。
学校規模、学校所在地の平均所得、学校の宗派などの要因は感染確率の違いを説明する割合が低く、個人レベルと学校レベルの要因が大部分を占める。
このように、家庭内および家族間の感染が COVID-19 の主要な伝播経路であることが明らかになった。一方で、学校内の感染リスクは相対的に低いものの、学校再開時には感染拡大のきっかけになる可能性がある。今後の公衆衛生政策立案にこれらの知見が活用されることが期待される。
Stats
同じ世帯に住む兄弟や親子の感染確率は 22.6-23.2%
同じ世帯に住まない家族間の感染確率は 4.7-7.9%
同じ小学校に通っていた生徒同士の感染確率は 0.66%
同じ中学校に通っていた生徒同士の感染確率は 1.65%