Core Concepts
自己教師あり学習手法であるSimCLR、BYOL、SwAVを用いてECG信号の表現学習を行い、ID(同分布)およびOOD(異分布)データに対する性能を評価した。その結果、SwAVが最も優れた性能を示し、自己教師あり学習手法が教師あり学習手法と同等以上の性能を達成できることを明らかにした。
Abstract
本研究では、ECG信号を用いた不整脈検出のための自己教師あり学習手法の有効性を包括的に検討している。
まず、PTB-XL、Chapman、Ribeiro の3つの一般的なECG不整脈データセットの分布特性を分析し、これらのデータセットがID(同分布)およびOOD(異分布)の評価に適していることを示した。
次に、代表的な自己教師あり学習手法であるSimCLR、BYOL、SwAVを適用し、様々な増強手法とパラメータを検討した。その結果、SwAVが最も優れた性能を示すことを明らかにした。さらに、自己教師あり学習手法は教師あり学習手法と同等以上の性能を達成できることを確認した。
また、ID/OOD間の性能比較を行った結果、自己教師あり学習手法は両者の性能に大きな差がないことを示した。これは、自己教師あり学習が汎化性の高い表現を学習できることを意味しており、ECG不整脈検出への応用に大きな意義がある。
最後に、各疾患クラスの分類性能を詳細に分析し、クラス間の分布特性が性能に大きな影響を及ぼすことを明らかにした。
Stats
ECGデータセットの患者数は、PTB-XLが18,885人、Chapmanが10,646人、Ribeiroが827人である。
PTB-XLデータセットの年齢範囲は0歳から95歳で、中央値は62歳である。
Chapmanデータセットの年齢範囲は4歳から98歳で、性別は男性56%、女性44%である。
Ribeiroデータセットの年齢範囲は16歳以上81歳以上で、性別は男性38.8%、女性61.2%である。