Core Concepts
NPRL2遺伝子療法は、KRAS/STK11変異抗PD1耐性肺がんにおいて、樹状細胞を介した抗原提示と細胞傷害性T細胞の活性化を通して抗腫瘍活性を誘導する。
Abstract
本研究では、NPRL2遺伝子療法の抗腫瘍免疫応答を、KRAS/STK11変異抗PD1耐性非小細胞肺がんモデルにおいて検討した。
NPRL2の再発現は、抗PD1耐性A549細胞と感受性H1299細胞の両方で、コロニー形成を有意に抑制し、アポトーシスを誘導した。
KRAS/STK11変異抗PD1耐性A549肺転移モデルでは、NPRL2遺伝子療法が顕著な抗腫瘍効果を示し、この効果はヒト化マウスで特に顕著であった。これは免疫応答の関与を示唆している。
NPRL2治療では、ヒトCD45+細胞、CD3+T細胞、CD8+細胞傷害性T細胞、NK細胞の浸潤が増加し、制御性T細胞とミエロイド由来抑制細胞が減少した。
NPRL2はCD11c+樹状細胞とHLA-DR+樹状細胞の浸潤を増加させ、T細胞機能関連遺伝子の発現を上昇させ、T細胞抑制関連遺伝子を抑制した。
NPRL2安定発現クローンの実験では、腫瘍増殖抑制、アポトーシス誘導、AKT-mTOR経路の抑制が確認された。
以上より、NPRL2遺伝子療法は、抗原提示細胞の活性化と細胞傷害性T細胞の誘導を通して、KRAS/STK11変異抗PD1耐性肺がんに対して強力な抗腫瘍効果を示すことが明らかになった。
Stats
NPRL2遺伝子導入により、H1299細胞のコロニー形成が有意に抑制された。
NPRL2遺伝子導入により、H1299細胞とA549細胞のアポトーシスが有意に増加した。
NPRL2遺伝子治療により、ヒト化マウスの肺転移モデルで腫瘍体積が有意に減少した。
NPRL2遺伝子治療により、ヒト化マウスの腫瘍微小環境でヒトCD45+細胞、CD3+T細胞、CD8+細胞傷害性T細胞の浸潤が有意に増加した。
NPRL2遺伝子治療により、ヒト化マウスの腫瘍微小環境で制御性T細胞とミエロイド由来抑制細胞が有意に減少した。
Quotes
"NPRL2遺伝子療法は、KRAS/STK11変異抗PD1耐性肺がんにおいて、樹状細胞を介した抗原提示と細胞傷害性T細胞の活性化を通して強力な抗腫瘍効果を示す。"
"NPRL2安定発現クローンの実験では、腫瘍増殖抑制、アポトーシス誘導、AKT-mTOR経路の抑制が確認された。"