Core Concepts
本論文では、多様なモダリティを持つデータに対して、置換不変なエンコーダーを用いた新しい変分下界を提案する。これにより、より柔軟な多モーダル集約スキームを実現し、真の結合分布をより良く近似できるようになる。
Abstract
本論文は、多様なモダリティを持つデータに対する生成モデルの学習について取り扱っている。主な内容は以下の通り:
多モーダル変分オートエンコーダー (VAE) は、複数のモダリティを統合的に説明する潜在表現を学習する生成モデルとして注目されている。これまでに様々な目的関数が提案されてきたが、それらは多モーダル対数尤度の下界や情報理論的な考察に基づいている。
モダリティ部分集合からの潜在変数をエンコードするために、専門家の積 (PoE) やエキスパートの混合 (MoE) などの集約スキームが使われてきた。これらは生成品質や複数モダリティ間の整合性などの点で異なる trade-off を示す。
本論文では、より厳密に対数尤度を近似できる変分下界を提案する。また、置換不変なニューラルネットワークに基づく、より柔軟な集約スキームを開発する。
数値実験では、変分下界や集約スキームの trade-off を示す。より厳密な変分下界と柔軟な集約モデルを用いることで、識別可能なモデルにおいて真の結合分布をより良く近似できることを示す。
Stats
多様なモダリティを持つデータセットの利用が近年増加している。例えば、ゲノミクス、エピゲノミクス、トランスクリプトミクス、メタボロミクスなどの統合的な理解に役立つ。
多モーダル統合は、神経活動と行動データから潜在的な神経ダイナミクスを学習するのにも有用である。
多様なモダリティのデータでは、ラベルやアノテーションが少ないことが多く、教師なし or 半教師あり の生成モデルアプローチが魅力的である。
Quotes
"多様なモダリティのデータを利用することで、個々のモダリティ固有の情報に加えて、複数のモダリティにまたがる共通の内容を捉えた一般化された表現を学習できる可能性がある。"
"本論文では、より柔軟な多モーダル集約スキームを提案し、識別可能なモデルにおいて真の結合分布をより良く近似できることを示す。"