Core Concepts
垂直連合学習(VFL)におけるホモモーフィック暗号(HE)の使用は、データ膨張と時間のかかる演算のため、深刻な効率性の問題に悩まされている。PackVFLは、パックドHE(PackedHE)に基づいた効率的なVFLフレームワークを提案し、既存のHEベースのVFLアルゴリズムを高速化する。
Abstract
本論文では、PackVFLと呼ばれる効率的なVFLフレームワークを提案している。PackVFLは、パックドHE(PackedHE)に基づいており、複数のクリアテキストを1つの暗号文にパックすることで、データ膨張の問題を軽減し、SIMD(Single Instruction, Multiple Data)スタイルの並列計算をサポートする。
特に、HEベースのVFLにおいて最も時間のかかる演算であるMatrix Multiplication(MatMult)の設計に焦点を当てている。PackedHEでのMatMultの設計は、パッキングの仕方によって計算コストと通信コストが大きく変わるため、課題となっている。
そこで本論文では以下の3つの設計を行っている:
現在のMatMultの設計空間を体系的に探索し、既存アプローチの複雑さを定量化することで、設計指針を提供する。
VFLの特性に合わせて、ハイブリッドなMatMult手法を提案する。
代表的なVFLアルゴリズムに提案のMatMult手法を適応的に適用し、アルゴリズムの特性を活かしてさらに効率を向上させる。
提案手法のPackVFLは、バッチサイズ、特徴次元、モデルサイズが大きくなるにつれ、一貫して高い性能を発揮する。実験的に、PackVFLは既存のVFLアルゴリズムの性能を大幅に向上させ、最大51.52倍の end-to-end 高速化を達成している。これは、SOTA MatMult手法を直接適用した場合と比べて34.51倍高速化を示している。
Stats
VFL-LinRアルゴリズムにおいて、暗号化演算の時間が全体の99.23%を占めている。
バッチサイズが2048の場合、VFL-LinRアルゴリズムの暗号化演算時間は1419秒である。
バッチサイズが2048の場合、ナイーブにPackedHEを適用すると暗号化演算時間は111.1秒である。
Quotes
"PackVFLは、既存のVFLアルゴリズムの性能を大幅に向上させ、最大51.52倍の end-to-end 高速化を達成している。これは、SOTA MatMult手法を直接適用した場合と比べて34.51倍高速化を示している。"