Core Concepts
TRBP2の2つのタイプAのRNA結合ドメインは、立体構造ダイナミクスの違いにより、ダブル鎖RNAの認識と結合に寄与している。
Abstract
本研究では、TRBP2のタイプAのRNA結合ドメインであるdsRBD1とdsRBD2の立体構造ダイナミクスの違いを明らかにした。
dsRBD1は高い立体構造の可塑性を示し、様々な構造と配列のRNAを認識できる。一方、dsRBD2は保存された強固なRNA結合領域を持ち、RNAを強固に結合する。
両ドメインはRNA結合時に異なる程度の立体構造ダイナミクスの変化を示す。この差異的なダイナミクスの変化と結合親和性の違いにより、2つのドメインはRNAに沿って拡散することができ、Dicerによる適切なmiRNA生合成に寄与すると考えられる。
立体構造ダイナミクスの違いが、TRBP2のRNA認識と結合の多様性を生み出していることが示された。
Stats
dsRBD2のコア領域の平均RMSF値は0.22 nmで、dsRBD1の0.43 nmの約半分である。
dsRBD2のコアの回転相関時間(τc)は7.3 nsで、dsRBD1の7.64 nsより短い。
dsRBD2のコアの平均R1は1.43 ± 0.05 s-1、平均R2は10.92 ± 0.37 s-1、平均[1H]-15N NOEは0.73 ± 0.03である。
dsRBD2には7つの残基にのみRex成分が観察されたが、dsRBD1には11残基に観察された。
Quotes
"dsRBD2は保存された強固なRNA結合領域を持ち、RNAを強固に結合する。"
"両ドメインはRNA結合時に異なる程度の立体構造ダイナミクスの変化を示す。"
"立体構造ダイナミクスの違いが、TRBP2のRNA認識と結合の多様性を生み出している。"