Core Concepts
TALK-1 L114P変異は、α細胞の過活動とβ細胞の不活性化を引き起こし、一過性新生児糖尿病と成人期の糖代謝異常を引き起こす。
Abstract
本研究では、MODY関連のTALK-1 L114P変異がマウスモデルにおいてどのような影響を及ぼすかを調べた。
新生児期では、L114P変異により、グルコース刺激によるインスリン分泌が低下し、重度の高血糖が引き起こされ、一部の個体で致死的となった。インスリン治療により生存率が改善された。
成体期では、L114P変異によりβ細胞の電気活動とCa2+流入が抑制され、グルコース刺激性インスリン分泌が低下し、耐糖能障害が認められた。
さらに、L114P変異はα細胞面積の増加とグルカゴン分泌の亢進も引き起こした。
遺伝子発現解析では、L114P変異により、β細胞の同一性や機能、イオンチャネル活性、炎症シグナル、細胞外マトリックス相互作用に関連する遺伝子発現が変化していた。
これらの結果から、TALK-1 L114P変異は、新生児期の一過性糖尿病と成人期のMODY様の糖代謝異常を引き起こすことが明らかになった。
Stats
新生児期のL/P、P/Pマウスでは、グルコース刺激によるインスリン分泌が著しく低下していた。
成体期のL/Pマウスでは、絶食時高血糖と耐糖能障害が認められた。
L/Pマウスのβ細胞では、グルコース刺激によるVm脱分極とCa2+流入が抑制されていた。
L/Pマウスの膵島では、グルカゴン陽性面積が増加し、インスリン陽性面積が減少していた。
Quotes
"TALK-1 L114P変異は、新生児期の一過性糖尿病と成人期のMODY様の糖代謝異常を引き起こす。"
"TALK-1は糖尿病治療のための新しい標的となる可能性がある。"