Bazelの使用がCI統合ビルドの高速化に役立つかどうかを検証する
Core Concepts
Bazelの並列ビルドと増分ビルド(キャッシュ)の機能を使うことで、長時間のCIビルドを大幅に高速化できる。
Abstract
本研究では、383件のGitHubのBazelプロジェクトを収集し、それらのプロジェクトでのBazelの並列ビルドと増分ビルドの使用状況を調査しました。また、Mavenプロジェクトとの比較も行いました。
RQ1の結果:
31.23%のBazelプロジェクトがCIサービスを使っているものの、Bazelを使っていない
Bazelを使っているプロジェクトの27.76%は、Bazelの実行にシェルスクリプト、Make、Dockerなどのツールを使っている
全てのBazelプロジェクトがCIでBazelの並列ビルド機能を使っているが、増分ビルド(キャッシュ)を使っているのは44.08%のみ
RQ2の結果:
長時間ビルドのプロジェクトでは、並列度を4、8、16に上げることで、中央値でそれぞれ2.00倍、3.84倍、7.36倍の高速化が得られる
並列度を上げるほど、短時間ビルドと中間時間ビルドのプロジェクトの高速化効果は小さくなる一方、長時間ビルドのプロジェクトは継続的に高速化される
ビルドターゲットのサイズが小さいほど、並列度16での高速化効果が高くなる
RQ3の結果:
一般的なCIキャッシュを使うと、短時間ビルドのプロジェクトでは52.17%、中間時間ビルドのプロジェクトでは8.70%、長時間ビルドのプロジェクトでは4.17%しか高速化されない
一方、Bazelの増分ビルド(ビルド結果のキャッシュ)を使うと、中間時間ビルドのプロジェクトで1.21-1.25倍、長時間ビルドのプロジェクトで4.22-4.71倍の高速化が得られる
Does Using Bazel Help Speed Up Continuous Integration Builds?
Stats
並列度2、4、8、16でのビルド時間の中央値は、長時間ビルドプロジェクトでそれぞれ2.00倍、3.84倍、7.36倍、12.80倍高速化された。
一般的なCIキャッシュを使った場合の高速化率の中央値は、短時間ビルドプロジェクトで1.00倍、中間時間ビルドプロジェクトで1.21倍、長時間ビルドプロジェクトで4.22倍であった。
Bazelの増分ビルド(ビルド結果のキャッシュ)を使った場合の高速化率の中央値は、短時間ビルドプロジェクトで1.00倍、中間時間ビルドプロジェクトで1.25倍、長時間ビルドプロジェクトで4.71倍であった。
Quotes
"Bazelの並列化は、長時間ビルドプロジェクトに対して大きな効果を発揮する(大きな効果量)。"
"並列度を上げるほど、短時間ビルドと中間時間ビルドのプロジェクトの高速化効果は小さくなるが、長時間ビルドのプロジェクトは継続的に高速化される。"
"ビルドターゲットのサイズが小さいほど、並列度16での高速化効果が高くなる。"
Deeper Inquiries
Bazelの採用コストと得られる性能向上の関係について、より詳細な分析が必要だと思われる。
Bazelの採用コストと性能向上の関係について、より詳細な分析が必要です。Bazelは並列ビルドや増分ビルドなどの高度な最適化機能を提供しており、これらの機能を適切に活用することでビルド時間を大幅に短縮できる可能性があります。しかし、Bazelの導入には適切な設定やメンテナンスが必要であり、これらのコストと性能向上の関係をより詳細に調査することが重要です。特に、Bazelを適切に活用するために必要なリソースやスキル、導入に伴う変更管理の影響などを包括的に分析することで、組織がBazelの導入を検討する際により良い意思決定ができるでしょう。
Bazelの並列ビルドと増分ビルドの機能を組み合わせることで、さらなる高速化が期待できるかもしれない。
Bazelの並列ビルドと増分ビルドの機能を組み合わせることで、さらなる高速化が期待できる可能性があります。並列ビルドは複数のビルドタスクを同時に実行することでビルド時間を短縮し、増分ビルドは変更された部分のみを再ビルドすることで効率的なビルドを実現します。並列ビルドによって複数のビルドタスクを同時に処理する際に、増分ビルドによって変更された部分のみを効率的に再ビルドすることで、ビルドプロセス全体の効率が向上する可能性があります。このような並列ビルドと増分ビルドの組み合わせによって、開発プロセス全体の効率が向上し、開発者がより迅速に品質の高いソフトウェアを提供できるかもしれません。
Bazelの使用がソフトウェア開発プロセス全体に与える影響について調査する必要がある。
Bazelの使用がソフトウェア開発プロセス全体に与える影響について調査することは重要です。Bazelは並列ビルドや増分ビルドなどの高度な機能を提供し、ビルドプロセスの効率化に貢献する一方で、導入や運用にはコストやリソースが必要です。ソフトウェア開発プロセスにおけるBazelの導入が、開発速度や品質、チームの生産性などにどのような影響を与えるかを調査することで、組織がBazelを適切に活用し、開発プロセス全体を改善するための戦略を策定できるでしょう。開発者や管理者がBazelの導入による影響を理解し、最適な利用方法を見出すためには、包括的な調査と分析が不可欠です。
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Bazelの使用がCI統合ビルドの高速化に役立つかどうかを検証する
Does Using Bazel Help Speed Up Continuous Integration Builds?
Bazelの採用コストと得られる性能向上の関係について、より詳細な分析が必要だと思われる。
Bazelの並列ビルドと増分ビルドの機能を組み合わせることで、さらなる高速化が期待できるかもしれない。
Bazelの使用がソフトウェア開発プロセス全体に与える影響について調査する必要がある。
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