本稿は、インタラクティブビジュアライゼーションとスクリプティングを統合したノートブック環境における、パフォーマンス分析のためのビジュアライゼーション設計に関する考察を述べている。
パフォーマンス分析は、膨大なデータセットと複雑な問題を扱う探索的データ分析の典型例である。従来のインタラクティブビジュアライゼーションは柔軟性に欠け、スクリプティングは自由度が高いものの扱いが煩雑になる場合がある。
本研究では、コーディングに精通したパフォーマンス分析者を対象に、Jupyter Notebook環境に組み込まれたインタラクティブな呼び出しコンテキストツリー(CCT)ビジュアライゼーションを設計した。
タスクの特異性、頻度、適合性に基づいたタスク分析を行い、ビジュアライゼーションとスクリプティングのどちらが適しているかを判断した。例えば、構造の把握など、頻繁に実行され、かつビジュアライゼーションとの親和性が高いタスクはビジュアライゼーションで処理し、複雑なクエリなど、特異性が高く頻度の低いタスクはスクリプティングで処理するように設計した。
設計したビジュアライゼーションは、ノードリンク図、バイバリアートエンコーディング、ツリーの簡素化機能(プルーニング)、視覚化とスクリプト間のデータフロー、手動および自動更新の2つのインタラクションモードといった特徴を持つ。
パフォーマンス分析の専門家7名を対象に行った評価の結果、ビジュアライゼーションとスクリプト間のワークフローは概ね良好であったが、状態管理の難しさも明らかになった。自動更新モードはクリック数を減らし、データ理解を促進する一方で、状態の追跡が困難になる可能性がある。
本稿では、技術系ユーザー向けの探索的ワークフローにおいて、ビジュアライゼーションとスクリプティングの統合を検討すべきであると提言し、その設計指針を示した。タスクの特異性と頻度を考慮した設計、状態管理の改善、ユーザーのフィードバックに基づいた反復的な設計が重要である。
To Another Language
from source content
arxiv.org
Key Insights Distilled From
by Connor Scull... at arxiv.org 10-18-2024
https://arxiv.org/pdf/2205.04557.pdfDeeper Inquiries