Core Concepts
非負値行列因子分解(NMF)を用いて、複数の非携帯型アイトラッキング録画データから、空間的特徴と時間的特徴を抽出し、視覚的に分析する手法を提案する。
Abstract
本研究では、非負値行列因子分解(NMF)を用いて、複数の非携帯型アイトラッキング録画データの分析手法を提案している。
まず、録画データの前処理として、注視点周辺の画像パッチの抽出と注視点の抽出を行う。これにより、注視点に関連する視覚情報を強調し、NMFの性能を高めている。
次に、前処理された録画データをマトリックス表現に変換し、NMFを適用する。NMFの結果は、空間的特徴を表す成分と時間的特徴を表す成分から構成される。空間的特徴は、各録画データの注視領域を示す静止画像として表現される。時間的特徴は、各録画データにおける各空間的特徴の出現時間を示すグラフとして表現される。
これらの視覚化された結果を組み合わせることで、複数の録画データから共通の注視領域とその時間的特徴を抽出し、分析することができる。
提案手法を、美術館の展示物を観察する状況のアイトラッキングデータに適用した結果、5つの注視領域のうち4つを正しく抽出できることを示した。また、各録画データの観察パターンも時間的特徴から推定できることを確認した。
Stats
各録画データにおける注視領域の出現時間を示すグラフの中で、最も高いピークを示す時間帯の画像を抽出した。