Core Concepts
Arc-Kayles と Non-Disconnecting Arc-Kayles の計算量的複雑性を解明し、構造化されたグラフクラスに対する多項式時間アルゴリズムを提示する。
Abstract
本論文では、グラフ上の頂点削除ゲームである Arc-Kayles と Non-Disconnecting Arc-Kayles の計算量的複雑性を研究している。
まず、1 が部分集合に含まれない有限集合 S に対して、CSG(S) がバイパーティット・グラフでさえも PSPACE 完全であることを示した。さらに、CSG({k}) がスプリットグラフ上でも PSPACE 完全であることを証明した。これらの結果は、Non-Disconnecting Arc-Kayles を含む多くの部分集合ゲームが非常に難しいことを示している。
一方で、ユニサイクリックグラフ、クリーク木、閾値グラフの部分クラスなどの構造化されたグラフ上では、Non-Disconnecting Arc-Kayles が多項式時間で解けることを示した。これは、Arc-Kayles 自体が一般的に難しい一方で、非切断条件を課すことで計算量的複雑性が緩和されることを意味している。
さらに、Arc-Kayles において対称性戦略の存在を判定することがグラフ同型問題と同程度の難しさであることを示した。これは、Arc-Kayles の複雑性を理解する上で重要な知見である。
Stats
有限集合 S に対して、1 ∉ S の場合、CSG(S) はバイパーティット・グラフでさえも PSPACE 完全である。
k ≥ 2 の場合、CSG({k}) はスプリットグラフ上でも PSPACE 完全である。
ユニサイクリックグラフ、クリーク木、閾値グラフの部分クラスでは、Non-Disconnecting Arc-Kayles が多項式時間で解ける。
Arc-Kayles において対称性戦略の存在を判定することがグラフ同型問題と同程度の難しさである。