Core Concepts
スパース・グラフ上でFLIPアルゴリズムの滑らかな実行時間を、グラフの分枝度αの関数として示した。
Abstract
本論文では、グラフの分枝度αが小さい場合のFLIPアルゴリズムの滑らかな実行時間を解析した。
主な結果は以下の通り:
αがlog^(1-ε)nのとき、FLIPは高確率でφpoly(n)回で終了する。これは、完全グラフやログ最大次数グラフ以外では初めての結果である。
任意のαに対して、FLIPの実行時間はφn^O(α/logn + logα)となる。これは、αがo(log^1.5 n)のとき、既知の最良の実行時間φn^O(√logn)を改善している。特に、αがO(logn)のとき、実行時間はφn^O(loglogn)と大幅に高速化される。
分析の概要は以下の通り:
グラフの分枝度αを利用して、ノード集合Vを階層的に分割する。
同じノードvの2回連続の移動で、その近傍のノードが動かない場合、カットの重みが大きく増加することを示す。
十分長い移動列の中に、このような「良好な」移動列が必ず現れることを示す。
これにより、FLIPの実行時間を上界評価できる。
Stats
任意のノードvの移動によるカットの重み増加は、φ^-1 * 3^-2βα * n^-2以上である。
FLIPの実行時間は、φ * n^O(βα/logn + logβα)回以内に終了する。