Core Concepts
有限オートマトンを用いてグラフ言語を効率的に認識する方法を示す。特に、非決定性を回避するための手法を提案する。
Abstract
本論文では、グラフ言語を効率的に認識するための有限オートマトンについて述べている。
まず、グラフの定義と、グラフの合成について説明している。グラフは前後の接続部を持つ有向ハイパーグラフとして定義され、合成は文字列concatenationに似た操作で行われる。
次に、有限オートマトンをグラフ言語の認識に用いる方法を示す。グラフ記号を持つ有限オートマトンを定義し、グラフ言語の認識問題を、オートマトンの受理問題に帰着させる。
しかし、単純な有限オートマトンでは非決定性が生じ、効率的な認識が困難になる。そこで、パワーセット構成を拡張したアルゴリズムを提案し、非決定性を回避する方法を示す。このアルゴリズムにより得られる決定性オートマトンは、入力グラフを線形時間で認識できる。
さらに、決定性オートマトンでも、ブランク遷移に起因する非決定性が残る可能性があるため、これを解決するための十分条件も示している。
以上のように、本論文では有限オートマトンを用いたグラフ言語の効率的な認識手法を提案している。