Core Concepts
提案するDynamic Frontier (DF) Louvainアルゴリズムは、バッチアップデートに対して影響を受ける頂点のみを効率的に識別・処理し、頂点の重み付きの次数とコミュニティの総エッジ重みを段階的に更新することで、高速に動的コミュニティ検出を行う。
Abstract
本論文では、動的グラフのコミュニティ検出問題に取り組む。従来のアプローチには以下の課題があった:
Naive-dynamic (ND)アプローチは全ての頂点を処理するため非効率
Delta-screening (DS)アプローチは影響を受ける頂点を過剰に推定し、計算コストが高い
そこで提案するDynamic Frontier (DF) Louvainアルゴリズムでは、以下の特徴を持つ:
バッチアップデートに直接影響を受ける頂点のみを初期段階で識別
頂点の移動に伴い、その近傍頂点を段階的に影響頂点として追加
頂点の重み付き次数とコミュニティの総エッジ重みを増分的に更新
これにより、DF Louvainは従来手法に比べ大幅な高速化を実現する。一方で、一部の頂点の検出漏れにより、モジュラリティがわずかに低下する可能性がある。
Stats
64コアAMD EPYC-7742プロセッサ上で、DF Louvainは、Static Louvainに比べ179倍、ND Louvainに比べ7.2倍、DS Louvainに比べ5.3倍高速である。
ランダムバッチアップデートを用いた大規模グラフ上では、DF Louvainは、Static Louvainに比べ183倍、ND Louvainに比べ13.8倍、DS Louvainに比べ8.7倍高速である。