Core Concepts
リスト表示アルゴリズムの3つの重要な性能指標(最悪ケースの低遅延、入力適応性、期待コストの低さ)を同時に実現する新しい手法を提案する。
Abstract
本論文では、リスト表示アルゴリズムの3つの重要な性能指標(最悪ケースの低遅延、入力適応性、期待コストの低さ)を同時に実現する新しい手法を提案している。
具体的には、2つのリスト表示アルゴリズム(高速アルゴリズムFと信頼性の高いアルゴリズムR)を階層的に組み合わせた新しいアルゴリズムF⊳Rを提案する。F⊳Rは以下の性能を同時に実現する:
最悪ケースの遅延はRの最悪ケースコストに抑えられる
入力に応じた適応的な期待コストはFの期待コストと同等
一般的な入力に対する期待コストはRの期待コストと同等
この結果は、これまで相反する性能指標だと考えられていた3つの特性を同時に実現できることを示している。
提案手法の核心は、Fの状態をシミュレートする「F-エミュレータ」とRのデータ構造を使う「R-シェル」を組み合わせることである。F-エミュレータはFの状態を徐々に実現するためのリビルド処理を行い、R-シェルはバッファ領域を使ってFの処理を補助する。この階層的な構造により、3つの性能指標を同時に実現できる。