Core Concepts
動的計画法のアプローチを min-plus 行列積に書き換えることで、巡回セールスマン問題を 2nn2/2Ω(√
log n) 時間で解くことができる。
Abstract
本論文では、長年の課題であった巡回セールスマン問題の O(2nn2) 時間アルゴリズムを改善する新しいアプローチを提案している。
具体的には以下の通り:
従来の動的計画法のアプローチでは、部分集合 S と頂点 k に対して dp(S, k) を計算していた。
本手法では、この計算を min-plus 行列積として捉え直す。
前層の dp テーブルの行を n 個ずつバッチ化し、それぞれのバッチと cost 行列の min-plus 積を計算する。
この中間結果を用いて、現在のレイヤーの dp 値を効率的に更新できる。
これにより、min-plus 行列積の高速アルゴリズムを適用することで、2nn2/2Ω(√
log n) 時間で巡回セールスマン問題を解くことができる。
本手法は、60年以上続いた O(2nn2) 時間アルゴリズムの壁を初めて破ることに成功した。今後の研究では、さらなる高速化や特殊ケースへの適用などが期待される。
Stats
巡回セールスマン問題は O(2nn2) 時間で解くことができる。
本手法では min-plus 行列積の高速アルゴリズムを活用し、2nn2/2Ω(√
log n) 時間で解くことができる。
Quotes
"Unfortunately for TSP fans, no good algorithm is known for the problem. The best result thus far is a solution method, discovered in 1962, that runs in time proportional to n22n."
"The factor 1/2Ω(√
log n) may seem a bit unusual to the untrained reader. In particular, this factor is better than 1/logk n time, for every k."