Core Concepts
重み付き集合選択問題において、重みが不確実な場合でも、最小コストの問い合わせ集合を見つけることで、重みの実現に依存しない最適解を得ることができる。この問題は、探索可能な不確実性の枠組みに属し、閾値の概念を用いることで、問い合わせ集合の最小化問題と閾値の計算問題が本質的に等価であることを示す。
Abstract
本論文では、重み付き集合選択問題において重みが不確実な場合の解析を行っている。具体的には以下の内容が含まれる:
重みの不確実性を表す区間を導入し、重みの実現に依存しない最適解(universal optimal solution)の概念を定義する。
最小コストの問い合わせ集合(minimum cost admissible query)を見つけることで、重みの実現に依存しない最適解を得る問題を考える。この問題は探索可能な不確実性の枠組みに属する。
各要素の包含閾値(threshold of inclusion)と除外閾値(threshold of exclusion)を定義し、問い合わせ集合の最小化問題と閾値の計算問題が本質的に等価であることを示す。
最小全域木、マトロイド、木上の最小重み マッチングの問題では、効率的な閾値計算アルゴリズムを提案する。一方、最短路や二部グラフ上の最小重み完全マッチングの問題では、閾値計算が NP 困難であることを示す。
閾値の計算結果を用いて、最小コストの問い合わせ集合と、それに基づく重みの実現に依存しない最適解を効率的に求めることができる。
Stats
最小全域木問題では、全ての閾値を O(mα(m, n) + n) 時間で計算できる。
木上の最小重み マッチング問題では、各要素の閾値を線形時間で計算できる。
最短路問題と二部グラフ上の最小重み完全マッチング問題では、閾値の計算が NP 困難である。