Core Concepts
HSV-ΔICP34.5ベースのコンストラクトは、野生型HSVよりも効率的にHIV/SIVの潜伏を再活性化し、同時にSIV特異的な免疫応答を誘導することで、慢性SIV感染マカクにおいて遅延的なウイルスの再燃を引き起こした。
Abstract
本研究では、HSV-ΔICP34.5ベースのコンストラクトが野生型HSVよりも効率的にHIV潜伏を再活性化することを発見した。機序解析の結果、HSV-ΔICP34.5はIKKα/β-NF-κBシグナル経路とPP1-HSF1経路を調節することで、HIV潜伏の再活性化を促進することが明らかになった。
さらに、HSV-ΔICP34.5ベースのSIVワクチンを開発し、マウスおよび慢性SIV感染マカクにおいて強力なSIV特異的T細胞免疫応答を誘導することを示した。慢性SIV感染マカクにおいて、このワクチンは抗レトロウイルス療法(ART)中止後のウイルス再燃を遅延させ、SIV潜伏ウイルスの浄化に寄与することが明らかになった。
以上の結果から、HSV-ベクターを用いた二重機能性ワクチンは、HIVの機能的治癒を目指す新たな戦略として有望であることが示唆された。
Stats
HSV-ΔICP34.5感染によりJ-Lat 10.6細胞でのHIV LTR、Tat、Gag、Vpr、VifのmRNA発現が野生型HSV感染よりも大幅に増加した。
HSV-ΔICP34.5感染によりACH-2細胞でのp24タンパク質レベルが野生型HSV感染よりも有意に高かった。
HSV-sPD1-SIVgag/SIVenv群のマカクにおいて、SIV Gag特異的IFN-γ産生細胞数がHSV-SIVgag群よりも有意に高かった。
HSV-sPD1-SIVgag/SIVenv群のマカクでは、ART中止後のウイルス再燃のピークが投与前よりも12.20倍低下した。
Quotes
"HSV-ΔICP34.5は、野生型HSVよりも効率的にHIV潜伏を再活性化することができる。"
"HSV-sPD1-SIVgag/SIVenvワクチンは、慢性SIV感染マカクにおいて遅延的なウイルスの再燃を引き起こした。"