Core Concepts
複数のインフルエンザ亜型に対する交差反応性の体液性免疫応答を誘導することを目的とした次世代インフルエンザワクチンの開発
Abstract
本研究では、「ビーズ状の鎖」(BOAS)と呼ばれる免疫原を開発した。BOASは、循環株および非循環株のインフルエンザから選択された8つの異なるヘマグルチニン(HA)ヘッドドメインを直列に連結したものである。マウスでの免疫実験の結果、BOASは各個別コンポーネントに対する同等の血清応答を誘導し、免疫原に含まれていないインフルエンザ亜型に対する交差反応性および中和活性も示した。さらに、BOASをフェリチンナノ粒子に結合させても、血清応答に大きな増強効果は見られなかった。このように、BOASプラットフォームは、単一の免疫原で複数のインフルエンザ亜型に対する応答を誘導できる堅牢なプラットフォームであり、他のウイルス糖タンパク質にも応用可能な可能性がある。
Stats
HA頭部ドメインは、H1、H5、H7では57-261残基、H2、H3、H4、H9、Bでは37-316残基をカバーしている。
BOASの長さが増えるほど、受容体結合部位(RBS)およびトリマー界面(TI)エピトープの保存性が高くなる。
3merおよび5merのBOASは、RBSおよびTIエピトープに対する抗体応答の割合が高く、交差反応性が観察された。
Quotes
"このように、BOASプラットフォームは、単一の免疫原で複数のインフルエンザ亜型に対する応答を誘導できる堅牢なプラットフォームであり、他のウイルス糖タンパク質にも応用可能な可能性がある。"
"BOASの長さが増えるほど、受容体結合部位(RBS)およびトリマー界面(TI)エピトープの保存性が高くなる。"