Core Concepts
本論文は、オブジェクト指向のペトリネットにオブジェクト識別子を組み合わせた新しい形式を提案し、その上で適合性チェックのタスクを定義する。提案するアプローチは、オブジェクト間の依存関係を適切に扱うことができ、従来の手法では検出できなかった重大な逸脱を特定することができる。
Abstract
本論文は、オブジェクト指向プロセスのための適合性チェックの新しいフレームワークを提案している。
まず、オブジェクト指向ペトリネットにオブジェクト識別子を組み合わせた新しい形式「オブジェクト指向ペトリネットWithIdentifiers (OPIDs)」を定義する。OPIDsは、オブジェクトの作成・削除、オブジェクト間の並行的な振る舞い、多数のオブジェクトを一度に処理する機能、オブジェクト間の関係性を表現する機能を備えている。
次に、OPIDsに対する適合性チェックのタスクを定義する。適合性アラインメントは、ログトレースグラフとモデルの実行系列の関係を表すグラフとして定義される。アラインメントの最適性は、移動コストの総和を最小化することで定義される。
最後に、適合性チェックのタスクをSMT (Satisfiability Modulo Theories) 問題としてエンコーディングする手法を提案する。この手法は、オブジェクト指向の特性を適切に捉えており、従来の手法では検出できなかった重大な逸脱を特定することができる。提案手法の実装と実験的評価も行っている。
Stats
オブジェクト指向プロセスでは、複数のオブジェクトが相互に依存しながら進化する
従来のアプローチでは、オブジェクト間の依存関係を適切に扱えず、重大な逸脱を検出できない
提案するOPIDsは、オブジェクトの作成・削除、並行的な振る舞い、多数のオブジェクト処理、オブジェクト間の関係性を表現できる
Quotes
"Real-world processes operate on objects that are inter-dependent. To accurately reflect the nature of such processes, object-centric process mining techniques are needed, notably conformance checking."
"Existing approaches are severely limited in their abilities to keep track of object identity and object dependencies. Consequently, serious problems in event logs with object information remain undetected."